思い切り没頭したあとは、モノの見方を変えてみよう。
 
<< 参加型とは別のネット・ジャーナリズムのあり方 | main | 男の欲望に関する考察 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

【2006.02.24 Friday 】 author : スポンサードリンク
| - | - | - |
中国反日デモをどう理解するか
実は、ホンネの部分ですごく気になっています。ふだん他のことだとキレのよい分析をしている方も、今回の中国の反日デモについては、極端に無口です。

「まずいことになっているなー」というため息があると思う。この「ため息」の部分で、かなりの数の人が、「なるべくならあの国に近寄らないように、また、語らないでやっていこう」と心に決め始めていたりするのではないかと想像しています。「敬して遠ざける」、わけです。理解できない相手とは、説得も喧嘩もできませんから。何回、ニュースに出てきてもそれについて語らない、ということはそういう意味だろうと。

自分も、これについて特に語りたいことはありません。しかし、いくつか拝見したネット上の言説の中に、かなり納得できるものがありました。今日はそれを紹介します。

1.中国共産党内の特定党派主導の、ある意味、やらせ説

こういう分析はあちこちにあるようです。納得度50%ぐらい。中国政府ではなく、中国共産党内の特定党派、というところに注目。政府組織や学校、会社などとは別に、党が二重組織で活動しているのが現在の中国。

これが政府高官たちの目的意識とはまた微妙に異なる戦略ロジックを持って動いている。中でも、大学などの学生や研究者の中にある共産党組織や政府内に拠点を置く特定党派が微妙に連動して動いている可能性大。

大使館等に対する投石や若干の破壊行為については、なんら阻止されることなく、なすがまま放置の警備陣はあらかじめそのように命令されているのが普通に理解できる。

しかし、デモに行こうというメッセージを若者に発信すると同時に、投石程度なら逮捕してはならない、という指示/命令を警備側の警察に、同じタイミングで出せる組織は、共産党内の党派組織以外にない。帰りのバスまで用意して、送迎付きデモというのもすごい仕掛け。職能的に異なる複数の共産党細胞組織が地下で合作/連動して実施しているキャンペーンだ、ということ。事態の理解はこれでいいのではないでしょうか。

2.「やらせ」に乗る背景の理解

一方で、こうした「やらせ」に乗る背景もあり。これについて一定の解釈をしてくれたのが、ひとつは内田先生の「反日デモの伝える声」。わかるような、わからないような感じでした。納得度5%。

今日になって発見した、さらに納得のいく見方が「こころ世代のテンノーゲーム」umetan氏による記事「『中国』というセカイ系」。納得度35%。ほぼ、氷解です。


つまり、「セカイにおける国家とは常に軍事独裁を志向するものであり、だからこそ日本に対して常に危機感を持ち続けねばならないのだ」という、セカイ系的な意識がデモの参加者の共通認識となっているのだということである。

そして、その意識から答えとして導き出される意識とは、

「われわれのデモは日本の軍事独裁化に危機感を表明し、それを防ぐためのものであって、われわれがデモを起こすからこそ日本の軍事独裁化に歯止めがかけられているのだ」というものである。

それはつまり、かのデモ参加者は心のどこかで「このデモは日本のために行っているのだ」「日本国民はむしろわれわれに感謝するべきだ」という意識を抱いている可能性があるということである。

そして、そのメッセージは、もはや軍事独裁国家ではない日本に、その毒を嫌と言うほど飲まされた日本国民には、まったく通じるものではないのである。


「セカイ系」についての説明はここ

実際の「世界」ではなく、本人のセルフイメージが勝手に描き出した、自分ひとりよがりな「世界のイメージ」を語るとき、「セカイ系」という言い方で説明されるようです。心理学的には「自己愛」の一種ということになるのかな。

いまの中国の動きを、安保反対を叫んでいた60年代とか70年代の対米意識と比較する人もいますが、共産党の制御配下で動いている点で本質的にはまったく違う感じがする。

…「政治的セカイ系」ってことなんだろうな。ああ、なんか意味不明ですみません。

中国人とこの件について話をするとき、どういうロジックでやりとりしたらいいかも、少しだけ分かる気がしてきました。

それにしても、向こうで仕事をしている日本の方は大変ですよね。

3.共産党の主導による今回のキャンペーンは成功したか

2のumetan氏の解説にもあるように、右寄り、左寄りの区別なく、我々のほとんどが、戦前の体制への回帰や、中国/韓国が言うところの軍国化は、あまりに日本人そのものに対する犠牲が大きいと把握しているため、痛くない腹をこれでもかと探られて当惑する人や、逆に、事実誤認に対して怒りを覚えている人すらあるため、対日工作活動としてはほぼ完全に失敗。

「わけのわかんないことを言う連中」ということで、距離感がさらに遠のいて、一般人のレベルだと観光収入などに悪影響が出ると思われる。ただ、日本からの投資額を抑制するための高度な戦術だったりすると、成功、ってことになるのかもしれない。

一方、反日的な意識を強く持っている中国の旧政権の残存勢力の反日=愛国意識のガス抜き、という視点からは一定の効果を得ているのかもしれない。

ガス抜き説が正しいとすれば、制御がきかなくなり破壊行為が拡大したとき、オリンピックその他の国際的イベントの失敗につながる恐れがあり、そのときは、現政権は引責で倒れる可能性さえある、という見方もネットで拝見した。さらに進んで、現政権の倒壊をもくろむ極左(?)グループがそもそもこうした画策をしているのではないかと見ているblogも拝見した。

それにしても中国。でかすぎるのと、深謀遠慮の国なので、単一の意志を想定する自体がむずかしい相手ですよね。

※最近、メディアの将来について、あれこれと書き込みをしました。ぜひメディアから提供してほしい役に立つ情報ということで考えてみると。

中国で自分が仕事をしているとして、若い中国人から議論をふっかけられたり、取引先との宴会で、こうした話になったとき、どういう論陣をはって相手を傷つけず、納得せしめるべきか、というハウツー記事、期待できないでしょうか。えっ、土下座? まあ、後腐れなければ、別にいいですけど。もっと割引して半額で納品しろ、とか、60年ぐらい前の残虐非道を反省してバイト代を倍にしろ、なんて発展したらいやじゃないですか。

結局、こういう肝心なところで、既存メディアの見えない制限枠がどうしても見えてきてしまうのだが。

※追記 CIA謀略説というのをネットで見ました
この読売の記事あたりが発端でしょうか。
天安門事件で米国に逃れたCIA影響下の在米中国人が、掲示板経由でデモをたきつけた、というのです。反日デモをそのまま民主化デモへと、流れを変えていくことが目的、だとか。
まったくありえないストーリーと言い切れないところに、あの国の大きさも感じてしまいます。

【2005.04.14 Thursday 10:22】 author : katz
| ニュース・時事 | comments(5) | trackbacks(7) |
スポンサーサイト
【2006.02.24 Friday 10:22】 author : スポンサードリンク
| - | - | - |
この記事に関するコメント
umetenです。TBおよびコメントありがとうございました。
問題の感覚的理解だけにとどめれば、「中国は「セカイ系」だ」と言うところですむのですが、さらなる要点はというと、それをどう解決するかになってくるのだと思います。
そうすると、t-kawase氏のコメント指摘のように、「「軍事独裁国家」との付き合い方」というものに重点を置いて、それにもっと取り組んでいくことを、日本は明確に自覚するべきなのだと思います。
そして、こここそが「みんなで土下座するべき派」の弱点なのだと思います。(政治理念の違う相手に「性善説」が通用しないということ)


さて、以前こちらの「マイクロテロ」の記事にTBさせていただきましたが、まことに勝手ながらその記事を参考にして、「はてなキーワード」を作成させていただきました。また、その説明の末尾にこちらの記事へのリンクを貼らせていただいています。勝手な振る舞いをお許しください。
「マイクロテロ」
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a5%de%a5%a4%a5%af%a5%ed%a5%c6%a5%ed
関連「サイレントテロ」
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a5%b5%a5%a4%a5%ec%a5%f3%a5%c8%a5%c6%a5%ed
| umeten | 2005/04/14 10:55 PM |
umetanさん、どうも。マイクロテロの話をはてなキーワードに書いていただいて、どうもありがとうございます。あんまり楽しいキーワードではないので、流行しないでほしいです。もっと明るいキーワード候補を作ってみたいです。
| miyakoda | 2005/04/15 10:32 AM |
1億3千万人が認識するセカイと13億人が認識しているセカイという二つのセカイ像があるとして、今後そのどちらがリアルな世界を動かしていくのかと言うことでしょうか。

日本人には世界に理解してくれる友だちが少ないということも考えないといけませんね。
| MAO | 2005/04/18 2:16 PM |
現代になってからも革命、戦争、天安門と中国は周期的にバカ騒ぎを繰り返してるわけ!今デモに参加してるのはちょうど天安門のころ生まれたばかりでそういうバカ騒ぎを聞かされながら成長してきた背景がある。まー三国志の昔から中国大陸は民族の分裂と争いの歴史なわけで、しかも裏切りあり、下克上あり(将棋は取った駒を使えるがチェスはだめ)。。。そんな民族が共産主義なんて旗立ててまとめちゃったんだからその上層部の保守意識なんてはんぱなもんじゃない!彼らに言わせると共産主義革命から中国という国は始まったわけだから過去の歴史はどうでもいいってこと。。。昔、漢民族が日本になにをしたとかね!実際共産党は喜んでるよ。まだ中国の若者も捨てたもんじゃないって!共産党は怖いよ!なんたって共産党最大の敵は宗教なわけだからモー世界中が敵なわけね。。。だからとりあえずインドとかチベットとかネパールをやっちゃう!本音は対日デモの次は国内のキリスト教信者でもやっちゃって欲しいんじゃないの〜?(長井英和 風)史上もっとも人命を奪ったイデオロギーは王権君主制でもナチズムでもなく共産主義だってことは忘れちゃいけないよね!新しいローマ教皇もそのへんは解ってるはずだからどう動くか楽しみだね(完全に傍観者)!ついでにベルリンの壁が壊された背景には前教皇ヨハネ=パウロ二世の力が大だったことを付け加えて終わります。。。。
| tk | 2005/04/20 1:02 PM |
そのいろいろ可笑しい文句を言う前に、歴史を勉強してください、事実を知るうえに、自分の意見をどうぞ。反して、事実さえ知らない人に対して、発言権を与えません。仮に勝手に何を言っても、聴こうとしません。 よろしい?
| hope | 2005/06/16 2:17 PM |
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://miyakoda.jugem.cc/trackback/105
トラックバック
中国の反日デモ 愛国教育の行く末は想定外?
日本の国連常任理事国入りを反対するという理由で中国で反日デモが行われたという報道がなされています。 http://www.sankei.co.jp/news/050403/kok064.htm この手の報道でいつも気をつけなければならないのは参加者数です。 テレビで報道されていたのは広東省深
| 社長の本音日記 | 2005/04/14 11:22 AM |
中国の反日ムード
日本は中国に進出、侵攻した。確かに国土を破壊し、普通の抵抗なく生活していた人もある程度巻き込んだかもしれない。資源や国防上の関係で侵攻したのは紛れもない事実だから日本にも非はある。 しかし、 去年、今年に引き続く反日ムードは納得できない。(一部の
| ムナライン | 2005/04/17 12:35 PM |
飛礫と群衆 ……中国の反日デモに思う
北京に飛礫(つぶて)が現れたとき、ちょうど一冊の本を読んでいた。 中沢新一著「僕の叔父さん 網野善彦」の中に「飛礫(つぶて)」の発見に関しての記述がある。それによると飛礫に関しての記述が日本の歴史に現れるのは十世紀末のこと。それ以降、歴史の転換点、支配
| blog::TIAO | 2005/04/18 1:00 PM |
鎮静化に向かう中国反日デモ
連日中国の反日デモについてのニュースの洪水でしたが、どうやら鎮静化に向かいそう
| HOME★9(ほめく) | 2005/04/20 12:12 PM |
-
管理者の承認待ちトラックバックです。
| - | 2007/03/22 10:15 PM |
-
管理者の承認待ちトラックバックです。
| - | 2007/03/24 9:45 AM |
-
管理者の承認待ちトラックバックです。
| - | 2009/08/10 6:25 AM |