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【2006.02.24 Friday 】 author : スポンサードリンク
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ブログジャーナリストの法的な地位--日米の温度差
アメリカのapple追っかけブロッガーが先走りリークしたmac miniに関するニュース内容が、apple社の逆鱗にふれて訴訟となってしまった事件。前の記事で少しだけ取り上げた。裁判所の判定などを見ているうちに、日本で起きている問題にも急速に似通ってきた。

少し気になったので調べてみる。

■経緯

apple好きの大学生bloggerが、新製品mac miniに関する裏情報をどこからか入手して製品発表前に自分のblogに書いたところ、その内容がなんとずばり本物だったらしい。激怒したapple社は、企業秘密漏洩、という論点から、複数のブログ筆者を氏名不詳のまま訴えた。どこから新製品の情報を得たか情報源を明らかにせよ、という要求である。

このあたりの経緯は、ホットワイヤード(日本語)が詳しい。
http://hotwired.goo.ne.jp/news/business/story/20050111101.html
(2005年1月の提訴直後の状況)

三月初めには、ブログ記事の未発表新製品情報は、apple社という私企業の企業秘密に類することであり、公共の利益とは関係がないとして、情報源を明らかにするよう、最初の裁判所判定が出た。不服とする被告側は、アメリカ合衆国憲法 第一修正条項の「報道の自由」やジャーナリストに許されているカリフォルニア州法の「取材源の秘匿」をたてにとって反論。

裁判所側の裁定内容については、ここの要約が詳しい。

■米国での展開1

ブログ筆者は、果たして、法律の保護対象とされているジャーナリストなのかどうか、という争点に展開してきた。

http://hotwired.goo.ne.jp/news/business/story/20050309103.html

(2005年3月の、「blogジャーナリズム」の問題に発展しつつある状況。訴えられた19歳のハーバード大学生、ニコラス・チアレリ氏のblog記事を、ジャーナリストの記事として評価/支援するダン・ギルモア氏の名前が見える。ダン・ギルモア氏は、サンノゼマーキュリーというシリコンバレー中心の新聞社のコラムニストだったが、今年になってからサンノゼマーキュリーを去って、ブログジャーナリズム組織(?)を立ち上げようと動き始めている。

ホットワイヤードの記事によると、「ダン・ギルモア氏は、「宣誓供述書(PDFファイル)で、チアレリ氏の仕事を素晴らしいジャーナリズムと表現している」らしい。このpdfは、上のホットワイアードから読めるが、中を読んでみると、いろいろ新しいニュースが書いてあった。サンノゼマーキュリーをやめてダン・ギルモアさんが創立した会社の名前は、Grassroots Media社というらしい。そのうち、日本法人でもできたりして。

一方、スタンフォード大学ロースクールのCIS(Center for Internet and Society;創立者/代表者は「コード」のローレンス・レッシグ教授)も、裁判所に提出したAmicus Brief(裁判所への意見陳述書)の中で、インターネット・ジャーナリストにも一般の職業的ジャーナリストと同等の権利を与えるよう、意見表明をしている。

ちなみに、日本版のホットワイアードには、オンラインジャーナリストの権利うんぬんとは別の視点からの争点解説の寄稿が掲載されていたりもする。そもそも、リークされた製品の価格とかざっくりとした仕様が、apple社の企業秘密だったのかどうか、ということではないか、という指摘。これも日本語訳されているので、日本版のホットワイヤードで読める。
「アップル社の情報漏洩訴訟、本当の争点は何か」というタイトルの寄稿記事がそれだ。筆者のAdam L. Penenbergはニューヨーク大学ジャーナリズム学部の助教授、らしい。
http://hotwired.goo.ne.jp/news/business/story/20050328105.html


■米国での展開2

しかし、全体の趨勢からみると、合衆国憲法 第一修正条項の中の「報道の自由」や「取材源の秘匿」に関連した動きがますます強くなっているように思われる。ジャーナリストに与えられている取材源秘匿の権利を、インターネット・ジャーナリスト(ブロッガー)にも与えるべきだ、という議論がますます盛んになってきているのだ。

エレクトロニック・フロンティア・ファウンデーション(http://www.eff.org/)は、インターネットジャーナリストにも、一般ジャーナリストと同等の権利を与えるべきだと特に強く主張している団体だ。

ちなみに、この組織EFFについては、山形浩生さんによって、こんな解説が書かれている。いまではIBMの一部門になっているロータス社の創立者で表計算ソフト1-2-3の開発者でもあったミッチ・ケイパー氏が作った団体。この人自身は、メインの活動自体からは手をひいているようだ。山形浩生さんの解説は、インターネットで何度となく繰り広げられる理想主義の行く末、というものについて考えさせてくれるよい記事だ。

4月10日過ぎになってくると、裁判所への意見書が、西海岸を中心とするマスコミ各社からも提出されるようになってきた。カリフォルニアの大手新聞社8紙と通信社のAPなどがこれに含まれている。

こうした動きにapple社(っていうか、ここまで来ればもうジョブズ氏本人、でしょ)がどういう対応をとるのか。注目されるところだ。

■日本国内の問題とどうからんでくるのか


さて、次は国内に目を転じてみよう。

メディアの取材現場から、切れ味のするどい発言をブログでも展開している高田昌幸さんが提起している「第二次記者クラブ訴訟と私の陳述書」の話。

引用開始
大きな裁判の判決では、判決要旨はふつう、記者クラブ側の事前要請に基づいて、裁判所が配布の可否を決定し、OKとなれば、クラブ加盟社に判決の言い渡し直後に交付する。ところが、寺澤氏はかつては松山地裁で(第一次記者クラブ訴訟)、最近は札幌地裁と東京地裁で、立て続けに判決要旨の配布を拒まれた。その理由は、「記者クラブ所属の記者ではない」というものであったことから、言論・取材の自由をおかすものであり、だいたいフリーというだけで区別・差別される筋合いはない、と怒って提訴したのである。
引用終わり

インターネットとは直接的な関係がない、フリージャーナリストと裁判所内の記者クラブの運営をめぐる話ではあるものの、ここにあるフリーランスジャーナリストの置かれている立場とは、実は、インターネットを舞台に動き出そうとしているジャーナリストの問題にも、「論理的には」直接関係している。

「論理的には」と書いたのは理由がある。現実的には、この種の問題が日本のインターネット関連で発生してくる可能性は、少なくとも現時点では、かなり低いといわざるを得ないため。

つまり、日本で、インターネットを活動の拠点とするジャーナリストが、そもそも、これから一定の層として誕生してくるのかどうか、という基本的な疑問があるからだ。

現状、インターネットのブログやホームページで活動しているプロのジャーナリストのほとんどすべてが、いわば「昼の顏」として、既存メディアの仕事から生活の糧をえている。ブログなどでの活動は、いわば「夜の顏」であり、同業者から「それって趣味だろう」と揶揄されてしまうことさえあるような、二重生活的なたち位置に置かれているわけだ。

一般のブロッガーにしても同様だ。さらに、自分で会社を経営していたり、フリーランサーとして仕事をしている人でもないかぎり匿名であったりするのは、こういう理由からだ。

果たして、この状況が変化して、既存メディアの中でブログを中心とする活動が市民権を得るようになるのだろうか。

日米の温度差の原因がそれぞれどこにあるのか。R30さんの記事経由の話だが、米国内でのアンケートでは、「ブロガーにもジャーナリストと同じ権利が認められるべき」と考える人が52%にのぼったらしい。

構造的なものを分析していくと、必然的に、国内でのブログジャーナリズムの将来が見えてくるように思う。

※4/17 21時10分追記 52%の件について
「ブログはまだよく知られておらず、重要性も信憑性も低いと考えられているという結果のようだ」というのはMatimulogさんの記事
【2005.04.17 Sunday 13:07】 author : katz
| メディア論 | comments(1) | trackbacks(2) |
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【2006.02.24 Friday 13:07】 author : スポンサードリンク
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この記事に関するコメント
miyakodaさん、おはようございます、

国内でもブロガーをジャーナリストとしてぜひ認めてほしいものです。

例の個人情報保護法の雑則を見てびっくりしたのですが、「報道、著述、学術研究、宗教活動、政治活動」は適用外なんですね。

http://www5.cao.go.jp/seikatsu/kojin/gaiyou/

ネットワークの構造からいったら朝日新聞やら日経新聞やらとブログはあまり違わないと思うんですね。「報道」で認められなくとも、すくなくとも著述業として認められてもよいのではないか?と思います。数百しか売れない本だってあるわけですからね。

まあ、リアルな仕事から言えば、しかし、腹の立つことではあります。
| ひでき | 2005/04/18 9:05 AM |
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第二次記者クラブ訴訟と私の陳述書
私の友人でもあるフリージャーナリストの寺澤有氏が、裁判所での判決取材に際し、裁判所から判決要旨の配布を拒まれたのは違法であるとして、第二次記者クラブ訴訟を起こしている。 訴訟については、ココ(ストレイ・ドッグ)が詳しいので、まずはそちらを。簡単に言
| 札幌から  ニュースの現場で考えること | 2005/04/21 6:09 PM |
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